エッセイ
子育てと、仕事での向上心とのジレンマが、ずっとありました。
会社側からすると、女性社員の子育て期間=仕事に全エネルギーを投入できない期間でもあり、「キャリアの中断」と捉えられるのも、わかる。
しかし私からすると、仕事でも認められず、子育ても中途半端な感じがすごく居心地が悪かった。
子育てを自分の人生に必要な時間だったと、将来位置づけるつもり。
子育てを題材に、何かアウトプットに結び付けたい。
そう思って門を叩いた文章講座だったが、出産の思い出をなんとか書き上げたら
「自慢に受け取られる」
「今の時勢、三人産んだってことは恵まれてる」
というマイナス評価しか返ってこなかった。
私は幸せの体験、記憶を書き留めておきたかったのだけど、
世の中他人の幸せを読みたがる人なんていないらしい。
私の自己満足でしかなかった、ことに気付かされた。
文章を読む=読む人の時間をもらうってこと。
だから、読んだ人に何かいい置き土産をしたい、とも思う。
そうすると、自分の書きたかった幸せな記憶、なんて書けないじゃん。
まだここから抜け出せていない。
参考にしたいと思って買った『ムスコ物語』(ヤマザキマリ著、2021年)。
世間の人が買うのは、この人がある程度知名度があるからっていうのと、自分にはない経験をしているから。
子育てをこの人はどういう視線で見てたんだろうっていうのを知りたいから。かな。
エッセイを読むことで、著者の子どもへの向き合い方、世間との距離感というのもなんとなく伝わってくる。
文字を通してそれ以外も伝わってくる、ことを改めて考える。
エピソード①、エピソード②、…
と続いて最後に「現在」に戻ってくる。
エピソードの組み合わせはとうやって決めてるんだろう。
つながりがあるようでないし、ないようであるのか、センスか。
最近わかってきたのは、
私は書くことで消化しているってこと。
何とか文字にする試みを続けていきたい。